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当院の調理師による、入院食の台所裏随想記です。

 
  明けましておめでとうございます。
  2007年 1月1日
明けましておめでとうございます。

本年もお正月を迎えるに当たり、川添産婦人科の厨房では、恒例のおせち料理をご用意させて頂きました。

お雑煮は川添家に伝わる海老で出汁をとるもので、2,3日前から水に浸し、時間をかけて出汁をとりました。海老の風味がお雑煮全体を包み、かつおや昆布とは異なる風味があります。川添医院のお正月にはなくてはならない一品です。

また、副院長が年末に奥多摩から沢山の八つ頭を買い求めてきたため、特別こころを込めて煮しめました。かなりおいしく煮えたようで、患者さんにも美味しく召し上がって頂けたようです。

これからまた一年、喜んでいただけるお食事をご用意したいという気持ちを込めて、おせち料理を作らせていただきました。

本年も、よろしくお願い申し上げます。

川添産婦人科 厨房


 

  雪仕立てアップルパイ・アラモード ミントを添えて
  2006/01/22(日)
昨日の雪はすごかったですね。川添産婦人科も、すっかり雪化粧の装いで、昨日は副院長先生が夜のうちから雪かき作業に追われていました。

私も今朝、家のベランダをのぞいたら、ミントの植わっている植木鉢に雪がたくさん積もっていました。それを見た瞬間、今日のおやつに出そうと考えていたアップルパイの上に、生クリームをのせて、ミントを飾ろうと思い立ちました。

今回のアップルパイは、りんごを土鍋で煮てみました。煮崩れせずに程よく味が染み渡り、なかなかの出来映え。満足のゆくアップルパイが仕上がりました。

けれども残念なことに、今日は患者さんが出産を終えて退院されてしまったので、このアップルパイは看護婦さんへのスペシャルデザートとなりました。おいしく食べてもらえたのかしら?


※りんごは信州志賀高原のスキーリフト会社「志賀山リフト株式会社」から毎年送られてきます。副院長先生のお友達の会社なので、こちらもどうぞ。

志賀山リフト株式会社
志賀高原観光協会


 

  「待つこと」の愉しみ
  2006/01/20(金)
今週の水曜日は、御汁粉を作りました。御汁粉をつくるには、前の晩から小豆を水に浸しておいて、十分に給水させておきます。「明日、おいしくなるように」、と一言おまじないをかけて、その夜はおとなしく寝床につきます。

翌朝、厨房の片隅でひっそりとしているボールの中を覗くと、あの固いコチコチの小豆たちが、たくさん水を含んで、水と戯れながら所狭しに膨らんでいるじゃありませんか。そして、一旦沸騰させて煮こぼし、それから延々と弱火で煮続け、豆が柔らかくなったところで砂糖を何回かにわけて入れ、小豆が甘くふっくらと煮えるまで待ちます。

御汁粉にだってこれだけ手間がかかるのですから、黒豆などを本格的に煮るには、約4日間、煮えるのを待ち続けなければなりません。手早く済まそう圧力鍋や薬品を使ってしまうと、黒豆の持ち味が損なわれてしまうようです。乾燥した食品を調理するには、自然のゆっくりとした掟に従わなければならないようです。

たかが御汁粉。されど御汁粉。作るものにとっては、食材がこうしてゆっくり変化し、おいしく成長してゆくのを見守るのも、料理を作るものだけが持つことのできる愉しみですよね。

兎角忙しいと、ついつい簡単な料理で食事を済ませてしまう毎日ですが、たまには、こうして時間をかけて小さな料理ができるのを待つのも、贅沢なものです。

「待つ」というのは、時間が長ければ長いほど楽しみが増えてゆくという、魔法の貯金箱のように思え、子供の子育てに似ているものだなと、ついつい思ってしまいます。頑固な子供ほど、成長をが愉しみという点も、料理のこんなとこから気づかされるのでした。


 

  『厨房余話』 はじめました 
  2006/01/18(水)
今日から、『厨房余話』を不定期に連載することになりましました。当院では、二人の調理師が、365日、患者さんと看護婦さんの食事を作っております。兎角、マンネリ化しやすい病院食の献立に、どうやったら飽きの来ない食事をお出しできるか、奮闘する毎日です。
 
ボリュームを持たせようと思うと、カロリーが多くなってしまい、カロリーを抑えようとすると、見栄えが落ちるなど、いろいろ悩みどころが多いのが病院食です。けれども、出産後の授乳時にあたっては、ある程度のカロリーが必要なことから、当院では、できるだけバランスをとりつつ、多彩な食材をお膳に並べらるよう務めています。

また、昔ながらの家庭の味を大事にし、あたかもご実家に帰って出産している・・・、そんな入院のひとときを味わっていただきたいと思っています。

昔から受け継がれた和食の調理法には、体の自然な流れをうまく助てくれるものが多いことに驚きます。自然の理にかななうところが多く、そういった産婦人科の台所裏の知恵や摂理なども、この調理メモで紹介できたら、嬉しく思います。

 食べるということは、元気に生きるということ。これから体力勝負の育児に挑むお母さんたちを、食事を通して元気づけらればと考えています。

これからも、『厨房余話』をお楽しみに。


 

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